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更なる成長のために今こそ「ダイバーシティ」!

ダイバーシティとは「多様性」と訳されます。この記事ではダイバーシティに取り組むべき理由と重要性についてお伝えします。

ダイバーシティが進む企業の方が本当に成長するのか?

ボストンコンサルティンググループによる調査では、ダイバーシティがイノベーションを促し、更に業績に貢献するという結果が発表されています。下図は過去3年間に発売された製品が収益に占める割合を、イノベーションの成果を計る代用データとして利用し、変数の相関を個別および包括的に検証した図です。(出典:ハーバードビジネスレビュー「組織の多様性はどこで、どのように業績を高めるのか」2018)

 

ダイバーシティ指数が高い企業ではイノベーションが多く起こることで、より新しい製品ポートフォリオを有することとなり、結果収益性が上がっているということでした。

他の多くの調査においてもダイバーシティとイノベーションには統計的に有意な関係性が認められるとあり、イノベーションを起こしたい日本企業ではダイバーシティに取り組むことも必要なことだと言えます。

ダイバーシティとは具体的にどういうことを指すのか

先述のBCGでのダイバーシティの指標は、管理職の多様性についてであり、内容は性別年齢出身国キャリアパス他の業界で働いた経験学歴という6要素でした。この調査は8カ国、規模の違う1700もの企業で行われましたが、残念ながら日本は入っていないので鵜呑みにすることは難しいですが、十分参考になると思い紹介しました。

多くの日本企業での現状はどうでしょうか。

日本では新卒採用で生え抜き社員が多く占める企業が多いのではないでしょうか。転職が当たり前になってきたと言え中途入社社員はマイノリティだと思います。日本には日本の風土と歴史があるので一概に海外企業のようになるのが良いとは思いませんが、それでもグローバルで戦っていく環境変化の中でやはりダイバーシティは避けて通れないのではないかと思います。

日本では数年前から女性管理職比率を高めることを目標として掲げています。2030年に30%を目指していますが、2023年3月の調査では12.7%となっており、半分にも届きません。。

ダイバーシティは多様性です。人口の半分を占める女性が組織の中核を担う管理職にほとんどいないということはやはり問題です。

まずは女性の管理職を増やすこと。そして外国人を含め様々なバックグラウンド、キャリアパスを持つ人たちを採用することから始めるべきなのではないでしょうか。

 

ダイバーシティを進めることに関する懸念

ダイバーシティは進めたい。でも心配があるのではないでしょうか。

日本企業では日本人がほとんどを占めています。そして女性管理職比率も12%なのであればほとんどが男性ということになります。少々荒っぽいかもしれませんが、つまりは「同質」の集まりだと言えます。同質の社員の集まりでは話し合いが比較的スムーズに進みます。日本の文化である「あ・うんの呼吸」「忖度」などがそこここで繰り広げられています。

ダイバーシティが進めばそうはいきません。多様性が進むのですから意見は様々な視点から述べられ、合意形成は困難になることもあるでしょう。この辺りが懸念事項としてあるのではないかと思います。

実は、同質のチームより多様性に富むチームの方が対立が多く生まれるというのは実際には思い込みであることが調査で証明されています。そして、HBRによれば2009年に社会心理学誌に発表された、大学の友愛会(社交クラブ)に関する研究報告ではチームの多様性と同質性がいかに作用するかが述べられています。ここでは簡単に結果だけを紹介すると、多様性のあるチームの方があるゲームの答えを発表するにあたり、自信無さげに回答したということから、合意形成は簡単ではなかったと思われます。ですが、友愛会(同質)のメンバーのみで構成されるチームよりも多様性のあるチームの方が倍以上の正答率であったとのことです。

雰囲気が良い(会話がスムーズに行われ、摩擦も少ない)ことは居心地が良いことですが、成果を求められるビジネスの現場ではどちらが必要なのでしょうか。

同じ釜の飯を食った仲間であれば、困難を乗り越えて成果を分かち合うことで同質とは違う別の確かな「絆」が生まれるのではないでしょうか。

 

日本式ダイバーシティではまずは女性登用から

日本は日本人が約98%を占めるという特異な環境にあります。その中でダイバーシティを進めるのであれば外国人比率を増やすよりはまずは女性を登用するのが自然です。中途入社を増やすことも手ではありますが身近なダイバーシティ人材である女性にどんどん活躍してもらうことです。

チャットGPTで「日本企業でダイバーシティが進めない要因はなんでしょうか」と質問すると、4つのポイントで回答が得られました。

  1. 伝統的な文化や価値観:日本の企業文化は伝統的で、多くの場合、男性中心のワークプレイスが根付いています。男性がリーダーシップポジションに就くことが一般的であり、女性や他のマイノリティグループの進出を妨げる要因となっています。

  2. ワークライフバランスの欠如:長時間労働や仕事への献身が一般的なため、女性や家族を持つ人々が職場での活躍を難しく感じることがあります。特に女性は、家庭と仕事の両立が困難であると感じることが多いため、キャリアの継続や昇進が難しくなる場合があります。

  3. 採用や昇進における偏見や差別:日本企業においては、学歴や年功序列などの伝統的な基準が採用や昇進の判断材料として重視されることがあり、これが多様性の促進を妨げる要因となっています。また、女性や外国人、LGBTQ+などのマイノリティグループに対する偏見や差別も依然として存在します。

  4. リーダーシップの意識不足:企業のトップ層がダイバーシティを重視し、その重要性を理解していない場合、多様性を推進するための具体的な取り組みが不足することがあります。リーダーシップの関与やコミットメントが不足すると、ダイバーシティの推進はなかなか進まないことがあります。

4つのポイントのうち3つが女性に関することでした。。やはり女性を活用することがダイバーシティを進める第一歩と言えそうです。

 

ダイバーシティのために組織変革を行う、その順番とは

日本企業でのダイバーシティ推進において女性の登用が重要であるという認識はここで述べる必要もない程に定着していると思います。ですが、そう簡単には進まないというのが現状ではないでしょうか。

女性社員に「そろそろ課長を目指したらどうか」「管理職に推薦したいから頑張って!」と言ってもうまくいかない、、女性がなりたくないと言っているのだから無理強いはできない、そうお考えの方も多いと思います。

そこで、女性心理の面白い傾向をご紹介します。

女性は同環境同条件において、男性よりも「自分の能力を低く評価しがち」で「自分の能力について厳しく評価しがち」、そして「自分に課すレベルを高くしがち」であるということが研究成果として報告されています。これは男女平等が日本より格段に進んでいるはずのアメリカでの研究ですので日本ではもっと顕著であろうと推察できます。だから、女性は「手を挙げない」と考えられます。

特に、置かれた環境が「男性の方が女性より優れている」「職場で出世するのは男性が当たり前」といったようなステレオタイプの意識が蔓延しているとこのような考えになると言われています。

 

そこで、まずは女性が活躍することは当たり前という環境を作ることから始めませんか。

MIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キム博士が提唱する「組織の成功循環モデル」があります。これは、組織が成果を上げるにはどうしたら良いか、どのような良いサイクルが成果に結びつくのかということを簡単な図で表現したものです。

 

関係、思考、行動、結果と4つの要素がこのように循環していくという図です。当然、結果を求めたいので行動の質を変えようと思われるかもしれませんが、行動を変えるためには思考を変えなくてはなりません。思考を変えるには関係を変える必要があります。つまり、まずは関係の質を向上させるところから始めることが重要だということです。

まずは挨拶など職場内のコミュニケーションを良くすることから始め、将来の組織内のキャリアアップについても心を開いて話し合えるようになることを目指すということになります。「能力をちゃんと評価してるよ」「君なら十分管理職でやっていけると思うよ」「しっかりサポートするよ」といった上司や周りの声がけを「言葉通り」女性の方々が受け取ってくれるようになるまで関係の質を高めていきましょう!

教育総研では女性リーダー育成に関する研修やコンサルティングを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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