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「個を大切にする時代」の部下育成にはファシリテーション型リーダーシップ!

採用難に頭を悩ませる企業が多い中、若手の早期離職を防止し、戦力化することが求められています。新人若手本人達の育成も大切ですが、やはり身近で指導する立場にいるチームリーダーや管理職が日々の業務や会話を通して育成することが望ましいと考えられます。

以前は「子供は放っておいても勝手に育つ」と言われていましたが、今は「放っておくと何もしない」で子供たちは育っています。(もちろん、勝手に育っている子供も一定数有り、二極化が問題になっています)社会人になったら放っておいても先輩の背中から学ぶだろうというのは「今や昔」です。手塩にかけて育てないと今の若手は育ちません。「個を大切に」とのスローガン(?)で育ってきた新人若手世代は自分の腑に落ちないことには無関心になりがちです。

一方で部下育成を担うチームリーダーや管理職はプレイングマネジャーです。その負荷は重く、手取り足取り部下を育成する時間も心の余裕もなかなか工面できません。だからこそ「自走する部下を育成する」ために身につけたいリーダーシップのカタチとして本稿では「ファシリテーション型リーダーシップ」を解説します。

多様性が尊重され、一人ひとりの価値観やライフスタイルも多様化しています。このような時代において、従来の一方向的なリーダーシップスタイルでは限界が見え始めています。そこで注目されるのが、「ファシリテーション型リーダーシップ」です。

ファシリテーション型リーダーシップのねらい

1. 多様性の尊重
先述のように、個を大切にしてきた環境下で育った若手世代は自分の考えや価値観を大切にします。各人の強みを活かし、チーム全体のパフォーマンスを最大化するためには、メンバーそれぞれの意見、価値観をを尊重し、協力を促進するリーダーシップが必要です。

2. 自己成長の促進
ファシリテーション型リーダーシップは、メンバーが自分自身で考え、問題を解決する力を育てます。これにより、メンバーは自律的に成長し、チーム全体のスキルアップにつながります。

3. モチベーションの向上
メンバーが自身の意見やアイデアが尊重され、実現されることで、仕事へのモチベーションが高まります。主体的に取り組む姿勢が生まれ、チームの生産性が向上します。

 

ファシリテーション型リーダーシップの実践方法

1. 積極的にコミュニケーションを行う
メンバーとの対話を重視し、定期的なミーティングやフィードバックセッションにファシリテーションスキルを発揮します。コミュニケーションの機会を積極的に設定しますが、コミュニケーションにおいては相手の話を引き出すこと、相手の考えをまとめることに貢献することに重点を置きます。心理的安全性を高め、信頼関係を築きます。

2. 相手のために質問する
相手の問題解決のための質問を投げかけ、メンバー自身が考え、意見を出しやすい環境を作ります。リーダーは答えを提供するのではなく、考えるプロセスを支援し、相手が自分の中の答えに辿り着くことを目的とします。

3. メンバーの強みを引き出す
各メンバーの得意分野や強みを理解し、それを活かせるような業務の振り方、指導を行います。個々の強みを活用することで個の力が向上し、チーム全体の力を最大限に引き出すことができます。そのためには下準備としてメンバーをできるだけ知る必要があります。メンバーの関心ごと、心配ごと、性格、社内ネットワーク、家族構成などを知ることによって思考のクセを理解し、コミュニケーションに活かします。

ファシリテーション型リーダーシップ研修プログラム例

教育総研ではファシリテーション型リーダーシップを学ぶ研修をご提供します。例えば以下のような研修プログラムが考えられます。

1. 自走するチームのためのファシリテーション
・ファシリテーションでできること
・ファシリテーションで意見を引き出す
・ファシリテーションでやる気を上げる
・ファシリテーションで合意形成を得る

2. ファシリテーションの基本スキル
・アクティブリスニング
・質問力
・論点整理力
・結論を導く

3. ファシリテーション型リーダーシップ
・リーダーシップの第3のカタチ
・ファシリテーション型リーダーシップの基本スタンス
・ファシリテーション型コミュニケーション
・ケーススタディ(意見を引き出す/論点を調整する/対立を解消する)

4. 実践:ファシリテーション型リーダーシップ
・自部門のメンバーはどんな人?
・メンバー別傾向と対策
・自部門での課題とゴールを明確にする
・グループ内共有および意見交換

5.まとめ
「ファシリテーションはメンバーだけでなく自分も成長させる」

 

まとめ

個を大切にする時代において、ファシリテーション型リーダーシップは、チームの結束力を高め、メンバーの成長を促進するための重要なスキルです。特に、旗を振ってメンバーを牽引するような従来のリーダーシップスタイルは自分には合わないのではないかと思っておられる方におすすめしたいリーダーシップのカタチです。

リーダーの役割は「自身の」成果を上げることではありません、「チーム、部門の成果を上げるために貢献すること」こそがリーダーに期待されていることです。そして、一人の力よりもチーム、部門全体で頑張った方が高い成果を期待できます。ファシリテーションスキルで個の力を引き出し、メンバーが主体的に活躍できる環境を作ることが、企業の成長と発展につながります。

ぜひ、ファシリテーション型リーダーシップを取り入れ、チーム全体の力を引き出してみてください。未来の成功は、あなたのリーダーシップにかかっています。

教育総研では上記プログラム例に限らずヒアリングの上最適なプログラムをご提案します。お気軽にご相談ください。

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