日系企業のベトナム拠点向け「階層別研修」をご紹介します。
新入社員研修
新入社員研修は文字通り新しく入社した社員に行う「導入研修」です。
対象者:入社してすぐ、または入社が決まった内定者及び中途入社社員
ねらい①社会人として、組織の一員としてどのような意識を持つべきか、意識、成長ベクトルを方向付けます。
ねらい②基本的なビジネスマナーにはどのようなものがあるかを学びます。
ねらい③仕事で必要となるビジネス日本語の基本を学びます。
<ポイント>日系企業の一員として、ベトナム人はまずビジネス日本文化を学ぶ必要があります。日本企業の仕事の進め方は日本文化が非常に大きく影響しており、日本人の考え方を学んでいなければ簡単な指示ですら疑問を感じてしまうことになります。例えば「時間を守る」「返事をする」「報告する」といったスキル以前の「当たり前」を、改めて業務遂行に必須の行動であると認識してもらうために「導入研修」は大変重要です。特に中途入社社員に受講してもらうことで意識を正しく整えることに役立ちます。
中堅社員研修
入社後数年経ち、仕事をある程度覚えた方に行う研修です。ベトナム拠点では一人前として扱う年次が早いので2~3年目で行う事をおすすめします。仕事に慣れた頃に研修を行い、次のステップを見せる事はベトナム人の早期離職を防止するためにも有効と考えられます。
対象者:2~3年目社員
ねらい①日本企業の仕事の進め方を改めて学び、自身の業務を振り返り改善する機会の提供
ねらい②課題解決の基本となるロジカルシンキングの基礎を学ぶ
ねらい③チームへ貢献するためにビジネス日本語の語彙を増やし、コミュニケーションスキルを向上させる
<ポイント>中堅社員はチームの中で重要な役割を果たすことになります。部下を育成し、リーダーを補佐するために自分の仕事だけでなくチームに貢献するために視野を広げる必要が出てきます。ベトナム人は一般的にロジカルに考え、表現することが苦手です。課題解決にはロジカルシンキングが必要となり、ロジカルに表現するビジネス日本語の語彙を増やす必要があります。語彙を増やすことで組織への理解が深まり、エンゲージメント向上に効果が期待できます。
管理職研修
管理職研修とは、文字通り管理職になる社員は必ず受ける必要がある研修です。多くの企業では管理職登用研修と位置づけて、研修後のレポートなどから管理職に登用するかどうかの判断材料に使用しています。単にスキル面だけでなく、日本的経営スタイルを学ぶ必要があることは一つの特長です。
対象者:管理職となることを望む、または望まれる社員
ねらい①組織力を向上させるために必要なスキルを身に付ける
ねらい②経営者目線で事業を考えるビジョン策定の基礎を学ぶ
ねらい③日本的経営事例研究
<ポイント>管理職は組織全体を見る必要があります。ベトナム拠点の管理職は日本人マネージャーへ自国の人間として進言したり率先して行動することが求められます。そして何より日本の本体とのやりとりが増えるため、日本企業の経営について学ぶ必要があります。
まとめ
階層別研修は多くの日本企業で実施されている社員研修のベーシックなプログラムです。年次で分けるという考え方は一見古臭いようですが、永く続いているのはやはり効果があるからと言えるでしょう。若年層には基礎固めをしてもらい、仕事に慣れた頃には壁を乗り越えるためのスキルを付与する、管理職にはマネジメント寄りの高度なスキルと経営マインドを学んでもらうことは理に適っています。
階層別研修は企業全体の底上げのために使うもの、つまり社員全体の能力底上げに向いています。優秀な少数社員には必要なスポット的な研修を行う事で時間と費用というコスト削減につながります。
ベトナム人は「学ぶ」ことが自己成長に繋がると考える人が多くあります。ぜひ御社のベトナム人社員の方の成長意欲を拠点発展エンジンにしてください。