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ベトナム人高度人材育成課題別解決策②口頭での指示が正しく伝わらない、、

日本企業のベトナム進出はコロナ禍でも増加しています。拠点を拡大、増設のニュースをよく目にします。アフターコロナを見据え、活動が活発化しているようですね。
ハコを作ったら次はそこで働く人が課題となります。「企業は人なり」現地雇用のベトナム人にマネージャーになってもらうためには育成が必要です。

今回は前回に引き続き、マネージャー候補となるベトナム人高度人材の「困った」課題別に解決策を考える第2回です。日本国内でも今後ますますベトナム人社員の雇用が増えると思いますので、ベトナム人を雇用されている企業様にも参考になる解決策をご提案します。
第一回は下記からご覧ください。

2.口頭での指示が正しく伝わらない、、

前回の「コミュニケーションが上手くいかない、、」でもお伝えしましたが、日本語は主語が無くても成り立ってしまう言語です。例えば英語では主語が必ず必要な言語です。まずは面倒でも主語を明確にすることが基本です。他にもコツがありますので是非第一回をご覧ください。

今回は別のアプローチとして、マニュアル作りをご提案します。

例えば、前回の例文はこうでした。

「A社さんへの発注作業、前月(例えば2月)の発注と同じだから日付だけ今月(3月)に変えて作成して、先方の担当者のCさんにメールで送っといてね。送った後、Cさんに「メール送りました」と電話を必ずしていおいてね。あと、発注データの入力もお願いします。終わったらチャットで私に報告入れておいてください。」

「これやっといて、前と同じな感じでね」と、言いたいところを上記の様に伝えれば正確性が増します、とお伝えしましたが、正直長いですよね。。
毎回これでは疲れてくるので自分でやった方が早い、とか、他の日本人に任せてしまおう、と思ってしまってはベトナム人社員はいつまでたっても仕事ができないままです。それでは宝の持ち腐れです。

ピンチはチャンス!この機会にマニュアルを作ってみませんか。

例えばこのようなマニュアルを作成すれば、「これ、フローAでやっといて」で済みますよ♪

 

業務フローマニュアル化イメージ

●マニュアル化のメリット①一回作れば何度も使える

ルーティンワークであれば比較的簡単にマニュアル作成できるのではないでしょうか。いままで無かったならば、それを作るのは「今!」です。
日本語とベトナム語表記をしてフロー形式で作ってしまえばずっと使えます。新しいメンバーが入ってきた時も早く仕事を覚えてもらうことができます。
マニュアルには図やピクトグラムなどのイラストを使って視覚的に分かりやすくしましょう。

●マニュアル化のメリット②誰でも使える

ユニバーサルデザインを思い出してください。厚労省によれば、ユニバーサルデザインとは、「ユニバーサルデザインはあらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方。」とあります。
企業はグローバル化から一歩進んだダイバーシティ&インクルージョンを実現する方向に進んでいます。このことからも、誰でも使えるというのは大切な要件です。
イラストや図を使い視覚的に分かりやすく、日本語・ベトナム語・英語付きのユニバーサルデザインでマニュアルが作ってあれば、例えば日本人の新入社員でも昨日入ったパートの人でも使えます。

●マニュアル化のメリット③ベトナム人の転職の不安から解消される

ベトナム人を雇用する企業の大きな困りごとの一つに「すぐ辞めてしまう」ことがよく聞かれます。一生懸命仕事を教えて、やっと使えるようになったら辞めてしまった、のはよくある話です。
しかし、これで良いわけがありません。
辞めないようにするにはどうしたらいいでしょうか。と聞かれることはよくありますが、正直申し上げて特効薬はありません。
どうしようもないなら解決策の視点を変えることが有効です。この場合は業務のマニュアル化です。

ベトナム人の部下が転職すると起こる組織内のダメージは「育成期間と労力が回収できない事」ではないでしょうか。

では、育成期間が短くて労力も少なければダメージが少なくなるということになります。マニュアル化を進めることで早く業務を覚えることができ、育成労力も少なくて済みます。
決して転職を軽視している訳ではありません。日本企業への理解を深め、コミュニケーションをしっかりと取り、期待を伝えビジョンを共有するなどの「早期離職防止策」はとるべきです。本人にとっても早期離職は良くない事と分かってもらいたいところです。しかし、離職を防止できないのであればマニュアル作りは企業側の防衛策と言えるでしょう。

●マニュアル化のメリット④その先

業務のマニュアル化を進めていくと、近い将来もっと良いことがあります。それはDX推進やアウトソーシングへの移行に役立つことです。
今後AIがどんどん業務に入り込んできて、ルーティンワークや簡単な作業はシステムに任せていくかアウトソーシングしていく方向にあります。マニュアル化してあればその移行作業に必ず役立ちます。

例えば教育総研ではBPOの一つとして「業務日報翻訳サービスBISIREN」をご提供しています。日報は多くの日本企業で採用されていますが、ベトナム人社員にとって日本語で書くのは一苦労です。書くのが大変だから適当に書くとなると、日報が役に立ちません。そこでベトナム人社員がベトナム語で書いた日報を日本語に翻訳し、日本人上司は日本語でコメントバックすることができます。BISIRENは日報翻訳サービスを通して職場のマネジメントを支援するアウトソーシングサービスです。

教育総研は皆様のマニュアル作りのお手伝いもさせていただきます。小さなことでも是非ご相談ください。

今回は課題別解決策②としてマニュアル作りを取り上げました。
次回は別の課題についてお伝えしたいと思います。


教育総研は未来のリーダーを応援します。
皆さんの会社の高度人材の方々が日本の会社で活躍されることを心から願っています。
次回をお楽しみに!

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